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2016年度中学入試をふり返る:大学入試改革も視野に~首都圏・関西地区中学受験情報(最新版)

2016年度の中学入試が終わりました。首都圏では難易度の高い学校が入試の回数を見直し、注目を集めました。関西地区では難関の進学校が人気に。20年度からの大学入試改革を視野に、特色のある入試をとり入れる学校もめだちました。今春のおもな動きをふり返ります。

【首都圏】人気の大学付属校も

首都圏(東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県)で私立中・国立中を受験したのは4万5500人(速報値)。前年度とほぼ同じ人数でしたが、小学6年生の児童数が前年度より少なくなったことから、受験率は15.2%から15.3%にやや上がりました

16年度の入試で注目された学校の一つが東京の西部にある上位の男子校、桐朋中。前年度までは首都圏の受験生のほとんどが試験を受ける2月1日に1回だけの入試を実施していましたが、16年度から2月2日に2回目(第2回)を設け、1回目約70人を募集する入試に変更。その結果、1回目は879人、2回目は512人がそれぞれ受験する人気ぶりでした。2月1日に入試がある男子の「御三家」の一つ、東京・武蔵中と併願するパターンがめだち、武蔵中の受験生も前年度より70人あまり増えました。一方、本郷中や世田谷学園中(ともに東京)などでは2月2日の入試で前年度より受験生が少なくなり、桐朋中に流れたのではないかとみられています

上位の女子校、鷗友学園女子中(東京)では3回あった入試を16年度から計2回にしました(2月1日と3日に実施)。1回分減ったことで前年度の合計より470人あまり少なくなりましたが、入試のハードルの高さにかわりはなかったようです

大学付属校では人気が持ち直す「きざし」がみえ始めています。背景にあるのが大学入試改革の影響。2020年度からいまの大学入試センター試験にかわり、「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」が導入されますが、どのような内容になるのかなかなかイメージできません。そうした不安から、大学付属校をめざすケースが少なからずあるようです

首都圏の学校で、前年度より受験生が増えたのは東京の青山学院中等部や慶応中等部、神奈川・慶応普通部など。この春から共学になる神奈川・法政大学第二中も人気を集めました。入試日程の変更や併願校の動向が影響していることもありますが、17年度以降の入試でも大学付属校は存在感を示しそうです

【関西】難関校志向の動きめだつ

関西地区(京都、大阪、滋賀、兵庫、奈良、和歌山の2府4県)の私立中を受験したのは1万7200人あまりで、前年度(1万7400人)とほぼ同じ。首都圏のように、6年生の児童数が前年度より少なくなり、受験率は9.1%から9.2%になりました。

16年度の特徴として、「人気校の日程変更」と「難関校への人気の集中」です

日程の変更については大阪・清風南海中や奈良・西大和学園中(女子)、兵庫・須磨学園中などがあてはまります。人気校同士が併願しやすくなり、志願者も増加しました

難関校の人気ぶりを示す例では、兵庫・灘中の受験生が前年度よりも45人増えて639人、兵庫・甲陽学院中が65人増の382人、奈良・東大寺学園中が48人増の834人、兵庫・神戸女学院中学部が35人増の253人、大阪・四天王寺中(医師コース)が32人増の456人、といった具合です。「大学入試改革の影響から前年度の入試では大学付属校の人気がぐんと高まりましたが、今春は最難関の進学校に注目が集まったという印象」ととらえます。

大学付属校では同志社系(ともに京都の同志社中や同志社女子中など)の人気が際立ちました。「保護者から『次の時代をとらえた教育内容』と評価され、大学につながる安心感がある。同志社女子の場合、この春に完成の新校舎も話題になりました」

東海地区の場合、受験生が多い愛知県では私立中20校あまりの最終的な志願者数は1万1357人で、前年度の1万1830人より470人あまり減少、志願倍率は3.8倍でした(愛知県私学協会調べ)。

思考力や表現力を問う出題

「16年度は大学入試改革の方向と照らし合わせて、特に重視されるといわれる思考力や表現力を評価する入試が広まったともいえるかもしれません」

「思考力入試」教科横断型の「適性検査型入試」などがその一例で、東京・品川女学院中等部では3回の入試のうち、第3回を「表現力・総合型入試」として実施。計200人の募集のうち、30人をこの入試に割り当てました。

4教科(国語・算数・理科・社会)の基礎的な力をみる試験Ⅰと、表現力をみる試験Ⅱで構成。試験Ⅱでは『ゲド戦記』を翻訳した清水真砂子さんの文章を読んだうえで、筆者の考えをまとめるという問題(120字以内)と、筆者の主張に沿って「あなた」ができることを体験などをふまえてまとめるという問題(800字以内)でした。設問は「自分の考え」を書くことに重きが置かれた内容といえます

関西地区の学校でも、大学入試改革をイメージした出題になってきているようです。たとえば甲陽学院中の算数は、問題の文章から条件をしっかり読み取ってから思考する出題、神戸女学院中学部の理科や東大寺学園中の社会などは、これまで以上に図や表を分析してから解く問題が増えているといいます。

「『適性検査型』とまではいかなくても、2020年度を意識したメッセージが出題にこめられているのでは」と考えます。

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