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2020年(令和2年)中学受験情報:これからの一年間を実り多い日々にするために~2020年入試から2021年入試へ~(最新版)(塾生・県外受験クラス生・首都圏受験クラス生・会員生・中村教室グループ塾生・他塾生・外部生・保護者共通)

2020年度版2020年入試から2021年入試へ~志望校合格を勝ち取る為のポイント及びこれから一年間の過ごし方について

新学習指導要領と、その背景

新学習指導要領が、小学校では2020年度から、中学校では2021年度から、高校では2022年度からスタートします。今回の改訂では「生きる力 学びのその先へ」と謳い、「学んだことを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力、人間性など」、「実際の社会や生活で生きて働く知識及び技能」「未知の状況にも対応できる思考力、判断力、表現力など」の三つの力をバランスよく育むとしています。

新学習指導要領のもと、内申書の評価の観点も連動して変わります。高校入試では、定期テストはもちろん、授業態度や課題の提出状況、出欠の状況など、学校全般が評価された内申書が求められるようになります。

一連の大学入試改革を振り返れば、初等中等教育および大学教育の改革と、それをつなぐ大学入試改革という「高大接続改革」でした。それぞれの教育改革は、これから社会で求められる課題発見力、問題解決能力を育むことにあり、従来型の知識習得型の学力観や教育観からの転換でもあります。故に、高大接続改革が進む中で実施される新学習指導要領において求められる力も同じ方向を向いているのです。

世界が急速に変化し、国を超えて向き合うべき新しい問題が地球規模で生じている今、そのような力が必要ということは、教育改革の手法と立場に違いはあれど、共通の認識でしょう。

宇宙旅行、ロボットのペットやレストラン、ホテルはSFの世界ではなく現実となり、国境を越えた人間同士の働き方も当たり前の世の中です。データサイエンティスト、データアナリストという新しい職業も注目されています。そうした社会の変化は子ども達の夢にも現れます。

2019年3月に発表された「大人になったらなりたいもの」(調査:第一生命保険株式会社/対象:保育園・幼稚園児及び小学校1~6年生)では、「ゲームやおもちゃを作る人」が男子のTOP10にランクインし、eスポーツやプログラミング授業の影響が伺えると報告されています。全国の中高生対象の「中高生が思い描く将来についての意識調査2019」(調査:ソニー生命)では、「YouTuberなどの動画投稿者」、「プロeスポーツプレイヤー」、「ゲームクリエイター」、「ITエンジニア・プログラマー」が上位を占める人気の職業。是非については賛否渦巻く現状ですが、グローバル化が進み、人間とAIとが共生する社会が来ています。変化に対応し行動できる力、誰かの役に立つ人となるための力、人に思いを馳せる力をつけておくことが大切です。

多様な中学入試

中学受験を経験した保護者の皆様は、ご自身の経験した中学入試と比べて、随分変わったことに驚かれると思います。受験は高校からだった、大学からだったという皆様も、する、しないに関わらず、中高一貫という選択肢を肯定的に捉えている方は少なくないのではないでしょうか。今の時代、社会で必要な力は何か、子供達の生きる未来はどのような世界かを考える、一つの契機が中学受験を検討することだからだと思います。

その中学受験に、高大接続改革による大きな変化が影響を与えています。今まさに進んでいる、2020年入試はどのような入試か、従来とは異なる点を中心に、要項から読み解いて行きましょう。

科目

受験科目は様変わりしているものの、依然として4科または2科が主流です。しかし、ここ数年で、3科、算数1科、適性検査、学校独自の科目などの多様化は加速度的に進み、とどまる気配をみせません。背景には、大学入試改革への対応もさることながら、グローバル化の進む世界に子どもたちを送り出す教育現場の決意が伺えます。

また近年、新たな動きを見せているのが「面接」です。かつては、数分でも面接が行われていましたが、入試当日の受験生の負担軽減や、面接対策による均一化といった背景もあり、面接の実施は減少する方向でした。もちろん面接を大切に考え継続している学校もあります。ただ、入試の朝、初めて学校に来校するといった受験生もいる入試構造(併願)の中で、入試当日ではなく事前に行ったり、合格者(入学予定者)対象に行ったりするなど、「廃止」とは異なる判断もあります。普蓮土学園や香蘭女学校も合格者対象で行っています。2020年入試では、田園調布学園が面接を合格者対象に変更しました。面接の有無で学校を選ぶのではなく、面接を行う意図を知った上で検討することが大切でしょう。

また一般的に言われる面接とは異なりますが、桐朋女子が継続している「口頭試問」にような形態も、受験生個々の可能性を探る入試として、今また見直されている印象もあります。

■適性検査型入試

適性検査Ⅰは文系(国語・社会)、Ⅱは理系(算数・理科)というのが標準ですが、東京都立中高一貫校の入試(正式には「検査」)では、適性検査Ⅰは作文。文章を読み取ったり、自分の考えを論理的に表現したりする総合的な力を測ります。適性検査Ⅱは算数・社会・理科の総合問題で、資料から情報を読み取り整理し自分の言葉で説明したり問題を解決したりすることを求めるもの。適性検査Ⅲを実施するのは、◎都立大泉、◎都立小石川、◎都立白鷗、◎都立富士、◎都立武蔵、◎都立領国。Ⅰ・Ⅱには共同作成問題もあるのに対し、Ⅲはすべて各校独自作成問題で、理系の内容です。

私学でも適性検査型の入試を実施している学校は少なくありません。◎日本工業大学駒場は◎都立桜修館の、共立女子第二は◎都立南多摩・◎都立立川国際の入試問題傾向に即した出題という例もあります。これらは、効率中高一貫校を意識した私立中の入試タイプといえますが、適性検査型というと広く、合科型、総合型、記述・論述型、PISA型、思考力入試を含めて指すこともあります。

■思考力型入試

あえて思考力を定義すれば、答えが一つではない課題を分析し解決する力といえばよいでしょうか。入試でも、そうした力を測るべく、様々な入試が行われています。2017年より大妻中野が行っている「新思考力入試」は、総合Ⅰ(教科横断的知識や応用力を評価する合科型問題)、総合Ⅱ(発想力や表現力を評価する記述問題)、総合Ⅲ(数理的思考力を見る問題)。

思考力入試のパイオニア、聖学院は、『思考力入試ガイド』で、「国語・算数・理科・社会の各教科の知識をもとに明確な答えがない解決策を考えたり、それを自分と結びつけて表現する問題が出題されます」と記していますが、クリエイティブな思考力、コラボレーティブな思考力という切り口から「ものづくり思考力」「M型思考力」「難関思考力」という3種の思考力入試を行っています。

2020年入試では33校が工夫を凝らした思考力入試を実施します。

■英語(が選択できる)入試

小学校での英語教科化、習い事などによる英語既習者 、帰国生別枠入試の受験資格を満たさない帰国生など、英語に親しんでいる小学生は増えています。こうしたことを背景に、中学入試でも、英語を選択できる一般入試が増えています。筆記、リスニング、スピーキングなど、形態も多様化しています。近年は、共立女子や聖和学院、日大豊山女子のような、対話形式で英語コミュニケーション力を測る英語インターラクティブ入試が増える傾向です。有資格者の英語試験免除などの優遇もありますので、英語の習い事をがんばってきた小学生にとって、受験の可能性を広げる要素になっています。

■プログラミング入試

名前のとおり、プログラミングを取り入れている入試です。ただし、入試の内容は様々です。大妻嵐山は、小学生向けプログラミング言語のスクラッチやピョンキーなどを利用し、物語やゲームなど自由に制作したものを持参。入試当日はソフトを起動し、そのソフトについて面接官に対してプレゼンテーションをする、というものです。また相模女子大学は、「モーターカーを使って、障害物(壁)を迂回しながら荷物(レゴブロック)をゴールまで運ぶ」プログラミングと発表、ディスカッションが行われます。◎駒込のSTEM入試では、アルゴリズムと四則計算が中心の「STEMⅡ」で行われます。「STEMⅡ」には、個々でプログラミング作成、グループ討議、改良といった内容もあります。2020年入試で新たにプログラミング入試を導入するのは、◎八王子実践と聖和学院(英語による)です。

いずれも共通するのは、プログラミングできることだけではなく、トライ&エラーに粘り強く取り組む力、他の人と協働することで自分の考えを深められること、自分の考えを伝える力を測っている、ということでしょう。

■算数1科入試

算数1科入試は「午後入試」として実施されるケースが最も多いといえます。日程的には受験しやすい設定で、女子校でも増加しています。作問には学校の狙いがよく反映されます。2002年から続く高輪の算数午後入試は、他日程と異なり記述型で、答えを出す過程を重視し、総合力を見る問題とされています。

2020年入試で新たに導入する学校の出題は気になるところですが、導入の狙いやサンプル問題で、次のような狙いを明らかにしています。田園調布学園が示した方向性は、「計算+思考力や表現力、文章の読解力も見る算数の問題」。富士見は数学科の「基本的な解き方や計算力を組み合わせ、論理的に考えることで答えにたどり着けます。普段から答えだけではなく、答えにたどり着くまでの考え方を大切にしましょう」というメッセージを発信。◎啓明学園は、「サイエンス教育で飛躍していくための最も重要な資質は『数学』だと考えている」と導入の背景を語ります。この他にも、算数重視の科目選択や配点の入試は少なくありません。募集定員は他日程に比べ少ないため、倍率が高くなる傾向があります。

これからの一年間

6年生をスタートする前に、これからの一年を中学受験・入試の流れに沿って見てみると、次のような流れになります。

2020年3月 塾の新学年スタート
3月 春期講習
7~8月 夏期講習
11月 (早いところはそれ以前)帰国生入試スタート
12月 栃木、茨城、千葉(推薦)、入試スタート
埼玉、千葉の出願スタート
12月~1月 冬期講習
2021年1月 埼玉・千葉の入試スタート
広島・岡山・愛媛・福岡・神奈川・東京の出願スタート
2月 東京・神奈川入試スタート

この間、順調に成績が伸びたり、スランプに陥ったり、はたまた予想外のことが起こるかもしれません。楽しいことだけではないでしょう。成績に一喜一憂するなと言われても、気になるのは自然なこと。その時、子どもとどう向き合うかは、お子様の性格やご家庭ごとに異なり、これが正解というものはありません。例えば秋になると、多くの受験生が夏期講習で力をつけてくる時期だけに、成績がなかなか上がらない、やる気が感じられない。こうした声があがりがちです。周りのペースに巻き込まれて闇雲にむずかしい問題に挑戦したり、過去問をやらねばと脅迫観念にかられてしまったりすると、親子共に負のスパイラルから抜け出せなくなってしまいます。きょうだいや他の子と比べてしまっていませんか。そんな時は、目の前の「この子」の存在を肯定し認めてあげることが大切です。学習面ではまず基礎・基本に立ち返り、できることを増やしていくのも方法です。「字がきれい」「昨日よりできている」という小さな成功、認められる体験が、お子様を前向きに変えていくはずです。

入試が始まると、受験校(併願校)の合格、不合格という結果を重ねながら進学先決定までの日々を過ごすことになります。合格した時の次の行動、不合格の受け止め方も、特に中学受験では、本人だけでなく親子で前進する力が必要です。学校選びの視点はたくさん持ったほうが良いと考えますが、優先順位はご家庭の教育方針次第です。その軸がぶれないように、しっかりご家族で話し合っておくことをお勧めします。「偏差値」は学校の価値を決めるものではないということ、中学受験は人生のゴールではなく通過点であり、志望校合格という目標に向かって努力したことはかけがえのない時間になることも忘れないでください。将来、どんな学びをしてきたかを問われたとき、学校名ではなく、学びの体験が語れることこそ大切です。

お子様には、親の代わりではない、自分の人生があります。「○○中学校に合格しなければならない」「○○中しか認めない」と決め付けるのは、子どもにとって良い選択とは言えないでしょう。

「中学受験」は、これからも続く学びの世界への入り口です。どうぞ、お子さまが安心して受験勉強に励める環境を作ってあげて、受験を終えたとき、「充実した一年だった」と言えるように、これからの日々をお過ごしください。

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